[UnsplashのCopper and Wildが撮影した写真]
はじめに
努力は、すぐに結果として返ってくるとは限りません。
むしろ、誰にも評価されなかったけれど、自分は一生懸命に取り組んだ──そんな経験のほうが多いかもしれません。
それでも、心を込めてやったことが、ふとした瞬間に誰かの目に留まることがあります。
そして、思いがけないタイミングで「ありがとう」といった言葉が届くこともあるのです。
今回は、私自身が経験した「一年越しのご褒美」についてお話しします。
あの時の努力が、時を経て形となって返ってきた──そんな出来事です。
一年前の苦い思い出
昨年、私は娘の高校でPTA役員を務めていました。
文化祭ではPTAとして出展することになり、私は実行委員長として企画・運営を担当しました。
PTAとして販売する商品は、トートバッグなどのオリジナルグッズ5種類。
デザインを考え、業者に発注して準備を進めました。
文化祭当日、商品は大人気で完売。
来場者の反応も良く、達成感はありました。
しかし、前年度までは手作り品も販売していたため、「今年は手作り品がない」という声もありました。
さらに、実行委員は総勢18名いたものの、実際に積極的に動いてくれたのは3〜4名ほど。
準備は限られたメンバーでこなすことになり、精神的にも体力的にも厳しい状況でした。
そのような背景から、一部の人には「今年の文化祭は失敗だった」と言われることもありました。
商品は完売したのに、どこか苦い思いが残る経験となったのです。
一年越しのご褒美
そして今年、娘の高校が創立130周年を迎えました。
その記念祭で、昨年の文化祭でPTAが販売したトートバッグのデザインが、記念品として採用されたのです。
文言だけ「130周年記念」と変更されましたが、デザイン・色・形は昨年のものとまったく同じ。
その知らせを受けたとき、驚きと喜びが一気に押し寄せてきました。
さらに、130周年記念委員会の副会長の方から、感謝の言葉とともに記念トートバッグが届きました。
添えられていた手紙には、温かい言葉が綴られていて、読んでいるうちに涙がこぼれました。
そのトートバッグは記念祭でも大人気となり、追加発注までされたそうです。
一年前、「失敗」と言われたあの取り組みが、今では「記念品」として多くの人に喜ばれている。
この出来事は、私にとって何よりのご褒美でした。
思いがけないタイミング報われることがある
あの時、誰かに「失敗」と言われたことは、正直つらかったです。
自分なりに精一杯取り組んだつもりだったので、否定される言葉は心に深く刺さりました。
それでも、目の前のことに真剣に向き合い、誠実に努力したことは、時間を経て誰かの心に届くことがあります。
今回の出来事を通して、「努力は見えないところで、ちゃんと育っている」と実感しました。
すぐに結果が出なくても、報われないように感じても、ふとした瞬間に「ありがとう」が届くことがある。
それは、期待していない時。
もう忘れていた頃。
そんなタイミングで、静かに報われるのです。
おわりに
努力は、すぐに評価されるとは限りません。
でも、時を経て思いがけない形で返ってくることがあります。
それは、感謝の言葉かもしれないし、形ある贈り物かもしれない。
あるいは、自分自身の中に芽生える「やってよかった」という確かな感覚かもしれません。
その瞬間、過去の苦い経験がすべて意味を持ち、心が満たされます。
私の経験が、今努力している誰かの励ましになれば嬉しいです。
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