[UnsplashのOmar Al-Ghossonが撮影した写真]
はじめに:英語を書く前に立ち止まって考えたいこと
英検のライティング問題に取り組むとき、「英語力」が試される場面だと考えがちです。
確かに、英語で意見を述べるという形式からは、語彙力や文法力が問われているように見えます。
しかし、実際にはその前段階として「日本語での作文力」が非常に重要です。
英語で書く前に、まず日本語で自分の考えを整理し、筋道立てて文章を構成する力がなければ、どれだけ英語の知識があっても、伝わる文章にはなりません。
これは、英検に限らず、TOEFLやIELTSなど他の英語試験でも同様です。
英語で意見を書くことは、単に言語を使うだけでなく、「思考を言語化する力」が問われているのです。
ライティングの土台は作文にある
日本語での作文力は、実は小学校・中学校・高校での作文や感想文、意見文の授業で培われてきたものです。
これまでに書いてきた読書感想文や意見文、課題作文などの経験が、英検ライティングにも活かされます。
例えば、「自分の意見を述べる」「理由を2つ挙げる」「結論でまとめる」といった構成は、まさに国語の授業で学んだ文章の組み立て方と同じです。
英語で書くからといって特別なことをする必要はなく、まずは日本語でしっかりとした構成を作ることが大切です。
ライティングで本当に大切なこと
英検のライティングでは、与えられたトピックに対して、指定された語数で自分の意見を述べる必要があります。
ここで、「難しい単語を使わなければ」「複雑な文法を使わなければ」と考えてしまいがちです。
しかし、実際にはそうした難易度の高い英語表現よりも、まず「文章の一貫性」や「論理的な展開」が重視されます。
以下のような点が特に重要です:
- 序論・本文・結論が自然に展開しているか
- 同じ内容を繰り返していないか
- 話の筋が途中で変わっていないか
- 関係のない話題が混ざっていないか
これらができていない状態で英語に訳しても、まとまりのない文章になってしまい、結局何が言いたいのかが伝わらなくなってしまいます。
つまり、英語で書く前に「日本語の文章の質」を高めることが、ライティング力向上の第一歩なのです。
難しいことを言わなくてもいい
英検ライティングでは、目を引くような斬新な意見や、社会的に深い洞察を求められているわけではありません。
むしろ、一般的で普通の意見で構わないのです。
大切なのは、以下のような基本的なポイントです:
- 一貫性があること
- 序論・本論・結論が明確に展開していること
- 文法や語彙に間違いがないこと
これらがしっかりできていれば、高い評価を得ることができます。
つまり、英検ライティングは「英語力の見せ場」と同時に、「思考力と構成力の見せ場」なのです。
どうやって作文力を鍛えるか
では、どうすれば日本語での作文力を高めることができるのでしょうか。
おすすめしたいのは、以下のような方法です:
- 読書をする(特に意見や考察が含まれる文章)
- 自分の考えをノートに書き出してみる
- ニュースや記事を読んで、自分の意見を持つ練習をする
- 他人の文章を読んで、構成や展開を分析する
こうした積み重ねが、自然と論理的思考力と文章構成力を育ててくれます。
そしてそれが、英語でのライティングにも直結するのです。
まとめ:英語を書く前に、まず「考えを整える力」を
英検ライティングで高得点を目指すなら、まずは「英語を書く力」よりも「考えを整える力」「文章を構成する力」に注目しましょう。
その土台がしっかりしていれば、英語に訳すときも迷いなく、伝わる文章になります。
もし今、「うまく書けない」「何を書けばいいかわからない」と感じているなら、それは英語力の問題ではなく、日本語での思考整理の部分に課題があるのかもしれません。
読書や日々の思考整理を通じて、少しずつ作文力を育てていきましょう。
英語を書く力は、その上に自然と積み上がっていきます。
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