京都の寺社仏閣めぐりの第2弾です。
今回は祇園エリアにある建仁寺です。
はじめに
観光客が所狭しとひしめく祇園エリアにある建仁寺。
しかし、一歩中に足を踏み入れると、広大でゆっくりとした時間が流れるお寺でした。
京都で一番古い禅寺である建仁寺。
私が建仁寺を訪れたいと思ったのは、数々の呼ばれていると思える現象があったからです。
ある日パソコンを立ち上げた時、スクリーンに表示された画像がありました。
それが建仁寺の三門でした。
私はその門が何の建造物なのかもわからず、グーグルで画像検索しました。
それで建仁寺の三門だとわかりました。
それが1ヶ月くらい前です。
それ以来見てみたいと思っていました。
これが見たくてここに来たのです。
私が三門の前くると、外国人の4人家族が三門を背景に写真を撮っていました。
お父さんが、お母さんと子ども2人の写真を撮っていたので、私はとっさに”Would you like me to take a picture of you?”と言いました。
お父さんは”Sure”と言って、私に携帯を渡しました。
私は”Say cheese!”と言いました。
その家族はみんな”Cheese”と言ってくれました。
お母さんは代わりに私の写真を撮りましょうかと言ってくれたので、遠慮なく撮ってもらいました。
それが上記の写真です。
仕事柄私は外国人に英語で話しかけることに全く抵抗がなく、こんな時にも役に立つと思いました。
俵屋崇達氏の風神雷神図屏風
方丈という建物の中には、屏風絵やその他の品々が展示されています。
下の図の赤丸が方丈です。
まず、方丈に入ってすぐにあるのが、風神雷神屏風図の高精細デジタル複製です。
江戸時代の俵屋崇達氏が晩年に作成した国宝の風神雷神屏風図の複製です。
本物は現在、京都国立博物館に寄託されていて、建仁寺には複製が展示されています。
この複製は、綴プロジェクト(キャノンの最先端技術で貴重な日本文化の継承する事業)により、本物の色や質感を精密に再現したものです。
それがこちらです。
暗い室内で、屏風の左右に風神雷神が大迫力で描かれたその屏風絵は、金色に輝き、人々を引き付けていました。
日本人も外国人も見入っていました。
金澤翔子さんの風神雷神の書
上記の風神雷神の屏風図の横には風神雷神の書が展示されていました。
ダウン症の書道家として知られる金澤翔子さんによる作品です。
それがこちらです。
まるで風神と雷神が飛んでいるかのような作品です。
こちらも大迫力で、たくさんの参拝者が作品に見入っていました。
〇▽□乃庭
読み方:まるさんかくしかくのにわ
その名の通り〇と▽と□だけからなる庭です。
この単純な図形で宇宙の根源的形態を示しているということです。
この小さな庭の中に広大な宇宙があるというのは、自分の中に神様の分け御霊があるという概念に通じるところがあります。
つまるところワンネスという感覚でしょうか。
鳥羽美花さんの襖絵
染色作家の鳥羽美花さんの作品の襖絵も展示されていました。
上が舟出 Rowing away、下が凪 The calmです。
型紙を用いた型染めという手法で作られた襖絵です。
襖を何枚も使った作品で、部屋いっぱいにその世界観が広がります。
細川護煕氏の襖絵
元首相である細川護煕氏は、現在芸術家として活躍されています。
細川氏の襖絵も展示されていました。
雄大な景色を水墨で描いた作品です。
細川氏はいろいろな寺社仏閣で作品を展示されています。
今回私が建仁寺に呼ばれていると思った理由の1つにこの細川氏があります。
最近友人から細川氏が芸術家として活躍されているという話を聞いたばかりで、建仁寺で作品が展示されていることを知らず訪れた私は、細川氏の作品を目にして、友人の話は前ぶりだったのではと思ったのでした。
海北友松氏の雲龍の襖絵
安土桃山時代の海北友松氏による雲龍の襖絵の複製です。
襖いっぱいに描かれた大きな龍の顔。
室内には入れず、10メートルほど離れたところからしか見れませんが、それくらい離れてちょうどよいくらいの大きさです。
先述の風神雷神屏風絵と同じく、本物は京都国立博物館に寄託されています。
加藤熊吉氏による大雄苑
方丈の南側には大雄苑という枯山水の庭が広がっています。
現在の庭は昭和初期の加藤熊吉氏によるものです。
南側にあり、太陽の光によりキラキラとして見えます。
砂に描かれた模様、背景に見える緑、その上に広がる空や雲のコントラスト。
歩き回って疲れた体を縁側に座って休めながら、この庭を眺めるひとときがほっこりとした時間になりました。
小泉淳作氏の双龍図
今回建仁寺に呼ばれていると思った理由の1つにこの双龍図があります。
最近訪れたあるお店で、店主がこの双龍図の話をしていたのでした。
以前から龍に興味のあった私は、いつか見てみたいと思っていました。
それがこの建仁寺にあったのです。
法堂と呼ばれる天井の高い建物に入ると、この双龍図が出向かれてくれます。
天井いっぱいに広がる躍動感にあふれる2匹の龍。
大きさは畳108枚分になります。
この双龍図は創建800年の記念に小泉淳作氏が制作したものです。
最高級のインクを使い、厚い紙に描かれています。
あまりにも大きいので、北海道の廃校になった小学校の体育館で制作されました。
おわりに
憧れの建仁寺に訪問できて、本当に嬉しかったです。
三門、風神雷神屏風図、双龍図、大雄苑などを実際に目にできて感動しました。
観光客にとっても地元の人にとっても、すばらしい名所だと思います。
これからも自分の目で見て感じた魅力を紹介していきたいです。
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