はじめに
英語が上手い人とそうでない人の違いは、「連結(Linking)」と「脱落(Elision)」ができているかどうかです。
単語1つ1つの発音の正確さはもちろん大切です。
しかし、その単語をつなげて文章にした時に、すべての音をそのまま発音してしまうと、日本語英語のような、どこかぎこちない響きになってしまいます。
そこで、単語をつなげる時に「連結」と「脱落」を意識すると、見事にあか抜けて、英語が流れるように話せるようになります。
まるでネイティブのような、自然な発音に近づくのです。
今回はそんな「連結(Linking)」と「脱落(Elision)」のルールについて、具体例を交えながら解説します。
連結(Linking)と脱落(Elision)のルール
連結(Linking)
前の単語の最後の音が、後の単語の発音に影響して、音がつながる現象です。
連結が起こると、音が滑らかにつながり、発音が自然になります。
・子音+母音の連結
“turn off” → /tɜːn‿ɒf/(ターンノフのように聞こえる)
・r音の連結(r-linking)
“far away” → /fɑːr‿əˈweɪ/(ファーラウェイ)
・w音の連結(w-linking)
“go on” → /ɡəʊ‿wɒn/(ゴウウォン)
脱落(Elision)
ある単語の中や、単語同士のつながりで、発音しにくい音が弱くなったり、消えたりする現象です。
脱落は、速く話すときに起こりやすく、発音の流れをスムーズにしてくれます。
・子音の連続で中間の音が脱落
“friendship” → /ˈfrɛnʃɪp/(d音が消える)
“next day” → /nekst deɪ/ → /nek deɪ/(t音が弱くなる)
・“t”や“d”の脱落
“old man” → /əʊl mæ̃n/(d音が消える)
“soft music” → /sɒf ˈmjuːzɪk/(t音が消える)
具体例
連結と脱落がよく現れる例文を3つ紹介します。
カタカナでの読み方も添えて、音の変化をイメージしやすくしました。
・例文①
What are you doing?
連結:What‿are / are‿you
読み方:ワラーユー ドゥーイング
(「ワット アー」ではなく「ワラ―」のようにつながって聞こえます)
・例文②
I want to go out.
連結:want‿to / to‿go / go‿out
脱落:t音が弱くなる(wanna)
読み方:アイ ワナ ゴウ アウト
(「want to」が「wanna」に変化し、滑らかに聞こえます)
・ 例文③
Did you eat it?
連結:Did‿you / eat‿it
脱落:d音が弱くなり、「Did you」が「Didja」または「Didju(ディジュ)」に
読み方:ディジュ イーリッ
(「Did you eat it?」が「ディジュ イーリッ」のように聞こえます)
まとめ
英語の発音が自然に聞こえるかどうかは、単語の発音だけでなく、「音のつながり」と「音の抜け方」にかかっています。
連結(Linking)は、音と音をつなげて滑らかにする技術。
脱落(Elision)は、発音しにくい音を抜いてテンポを整える技術。
どちらも、ネイティブが無意識に使っている発音の工夫です。
日本語では、単語をはっきり区切って話すのが普通ですが、英語では「文章全体を一息で話す」ような感覚が求められます。
そのときに、連結と脱落が自然に起こるのです。
発音練習では、単語を一つずつ読むだけでなく、文章として「音の流れ」を意識して練習することが大切です。
口の中で音をつなげる感覚をつかむと、発音がぐっと英語らしくなります。
また、カタカナでの読み方を参考にすると、音のイメージがつかみやすくなります。
ただし、最終的には英語の音そのものを目指すことが大事です。
楽しみながら続けていきましょう。
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